Joseph Weizenbaum
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photo CC BY-SA Ulrich Hansen
ジョセフ・ワイゼンバウム(1923-2008)
マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学科教授(出版時)
1923年ベルリン生まれ
米国ミシガン州のウェイン州立大学卒業、博士
ゼネラル・エレクトリック社の研究員として、バンク・オブ・アメリカの預貯金自動記入システム(ERMA)を開発。1963年にマサチューセッツ工科大学の職に就いてからは、大規模時分割システム(CTSS)や、精神科医の役割をはたす”イライザ”(ELIZA)プログラムを開発する1) ワイゼンバウムは、彼のプログラムが多くのユーザーに非常に重大な影響を及ぼし、彼らがそのプログラムに心を開く様子にショックを受けた。人工知能の意味について冷静に考えはじめ、後にその主要な批評家の1人になった2)。
彼の有名な1976年の本 Computer Power and Human Reasonは、コンピュータ技術についての彼のアンビバレンス(相反する感情の両立)を示し、彼の考えを示している。すなわち、人工知能は可能と思われるが、コンピュータは常に同情や知恵などの人間性を欠くので、我々は決してコンピュータに重要な決定を任せるべきでない、というものである。彼は、その理由として(人工知能が)人類の感情的な環境で育てられなかったためであると考えている。
1996年ベルリンに移住し、生まれ故郷の近くに住むようになった3)4)。
2007年にはドイツでワイゼンバウムについてのドキュメンタリー映画が製作され、英語吹き替え版も作られた5)。2010年のドキュメンタリー映画 Plug & Pray もワイゼンバウムを中心に人工知能の倫理的側面を描いている6)。
晩年、彼はベルリンで Institute of Electronic Business の科学評議会の会長を務めたが、2008年3月5日に85歳で死去した。MIT以外にハーバードやスタンフォードなどの大学でも教壇に立った経験がある。
1) 秋葉忠利訳, 『コンピュータパワー -その驚異と脅威-』の見開きの紹介項目, 見開き, サイマル出版会, 1979
2) Miller, Stephen, MIT Professor's Work Led Him to Preach the Evils of Computers, Wall Street Journal March 15–16, 2008, p. 6
3) Weizenbaum. Rebel at Work. Documentary film by Peter Haas and Silvia Holz, 2020年1月29日閲覧
4) Joseph Weizenbaum – a biography (German) Wolfgang Löw, Leibniz-Institut für Neurobiologie, Magdeburg, Germany, 2020年1月29日閲覧
5) Remembering Joe Weizenbaum, Eliza Creator - Artificial Intelligence – InformationWeek, 2020年1月29日閲覧
6) Variety Film Review Plug & Pray, Documentary film by Jens Schanze, featuring Joseph Weizenbaum, Raymond Kurzweil, Hiroshi Ishiguro, 2020年1月29日閲覧 Wikipedia(日本語)
Wikipedia(English)
著書
Joseph Weizenbaum 『Computer Power and Human Reason』W. H. Freeman and Company
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photo CC BY-SA 4.0 NW7US
Computer Power and Human Reason:Wikipedia(English)
ジョセフ・ワイゼンバウム『コンピュータ・パワー : 人工知能と人間の理性』サイマル出版会
(サイマル出版会は1998年に廃業したため、公式HPがなく、国立国会図書館データベースのリンクを貼りました)